研究概要 |
本研究では,電界を印加することにより粘度が変化する電気粘性流体を応用した新たな概念に基づく超精密・高速テーブルシステムを構築し,そのテーブルシステムを用いた要素研究を行った.その結果,以下のような研究成果が得られた. (1)電気粘性流体応用テーブルシステムにおいて,電気粘性流体に電界を印加することにより,テーブルの動的特性,具体的にはテーブルの送り方向減衰能及び駆動中の振動特性が改善されることを確認した. (2)テーブルの微小位置決め動作時において,電気粘性流体に電界を印加することにより,テーブルの整定時間や行き過ぎ量などが減少し,位置決め動作特性が向上することを確認した. (3)電気粘性流体に印加する電界をテーブルの運動状態に応じて能動的に制御することによって,テーブルの位置決め運動特性がより一層向上することを示した. (4)電気粘性効果の基本的な特性として,電界の印加により電気粘性効果が発現あるいは消失するまでに遅れ時間が存在することを明らかにするとともに、遅れ時間を考慮した能動的印加電界制御を行うことにより,テーブルの運動を最適化することが可能であることを示した。
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