紙幣の自動支払機等、シート状物体を扱う機械において、シートの複数枚誤送の検出は非常に重要である。自動支払機や縫製機械等では旧態依然とした接触式が主流であり、非接触式の開発が待たれている。 平成7年度は、特定周波数における伝達関数の位相差を利用した検出法を可能にすることが主な目的であった。以下に今年度の成果を具体的に記す。 ◎枚数とセンサと伝達関数の位相との関係から、最適周波数を求めた。 ◎枚数による、特定周波数のセンサ入出力位相差=時間間隔が明らかになった。 ◎シートの移動がセンサ出力の時間波形に及ぼす影響が明らかになった。 ◎上記から、シート移動時の枚数による時間間隔の変化が明らかになった。 ◎伝達関数法により布などの種々の材質のシートの特性インピーダンスの実測に目処がついた。 以上から、当該年度の目的は達成され、位相差による測定が可能であることが明らかとなった。 論文等の実績に関しては、音響系の伝達関数を利用したセンサの研究において、移動中の紙および静止状態の布について得られた成果の一部が日本機械学会論文集に1編掲載された。(裏面[雑誌論文]の筆頭)また、本研究に関連した樹脂シートを扱った論文が国際会議で発表済みである。(裏面[雑誌論文]の2番目)さらに、本研究を行った研究代表者に対して 平成7年度 日本機械学会 研究奨励賞 が授与された。
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