研究概要 |
地球温暖化の主要な原因の1つである大気中のCO2濃度の増加を抑制するために,火力発電所や製鉄所の大量発生源から分離回収した液体CO2を深海底に貯留する方法は,3000m以深の深海底では液体CO2は海水より密度が大きくなるため深海底の凹地を利用して液体CO2を貯留することが可能になることと,深海底の温度・圧力条件下で液体CO2と海水の反応によりCO2クラスレート水和物(以下,CO2クラスレート)と呼ばれる固体が界面に形成され,CO2の海洋への拡散の抑制に寄与するため,CO2による地球温暖化対策の有望なものの1つとして考えられている. 本研究は,レーザ応用画像計測法を深海相当超高圧下をシミュレートするためにプローブ等の挿入が困難な超高圧下のCO2の実験に適用した.CO2のプールからの深層流による拡散挙動について,CO2クラスレートの溶解に伴うpHの変化をレーザシート内の2次元の誘起蛍光強度分布を受光することにより明らかにし,CO2クラスレートの物理化学挙動を含めたCO2の動的挙動を解明を行った。 液体CO2または水にDye(色素)を混入し,Yagレーザ光の吸収により放射されるレーザ誘起蛍光の瞬時2次元分布を高感度CCDカメラにより受光した.CO2の拡散は,周囲の水に対してpHの変化を誘起し,Dye(色素)としてフルオレセインを用いると,2次元瞬時のpH分布の計測を行った。 これにより、CO2の溶解速度を算出し、液体CO2噴出により得られた液体CO2のプールの上を深層流が流れ,これによりCO2が液体CO2を深海底に貯留することがどの程度のタイムスケールで行えるかを明らかにした。1GWの火力発電所から排出されるCO2の10年分が完全に溶解するまで240年程度要することを明らかにした
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