長さ200mm、幅60mm、高さ50mmのアクリル製水平ダクト内に直径1mmと2mmの2種類のガラス球を別々に充填し、多孔質体の空隙部に蒸留水を注入した。その上部にレーザー加熱部として黒体塗料を塗布した厚さ55μmのステンレス板を貼り付けた。実験では、アルゴンイオンレーザーを用いて黒体塗料の表面を加熱すると同時に、TVSカメラを用いて1/30s毎の温度の経時変化を実時間で測定、記録し、その温度の経時変化から流動と熱移動の関係を定量的に検討した。一方、壁近傍の空隙率の分布を考慮した数値シュミレーションを行い、流量、透過率および空隙率の不均一性による表面温度分布および流動と熱移動の関係をくわしく検討し、等価熱物性値の変化を明らかにした。この数値シュミレーションの結果と実測の温度分布およびヌセルト数の分布が一致したことにより、本数値モデルは多孔質層内の熱移動現象をよく予測できることがわかった。さらに、本数値モデルと従来提案されている生体伝熱方程式とを比較し、生体組織内熱移動方程式の適用限界について評価した。
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