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1995 年度 実績報告書

化合物半導体におけるショットキバリア値の制御

研究課題

研究課題/領域番号 07750376
研究機関北海道大学

研究代表者

呉 南健  北海道大学, 工学部, 助手 (00250481)

キーワード化合物半導体 / InP / ショットキ / バリア / 制御 / 電気化学プロセス
研究概要

本研究は、電気化学プロセスによって化合物半導体のフェルミレベル・ピンニングが減軽されることの原因を解明し、広範囲バリア値のショットキ接合をつくる新しい手法を開拓する目的で、遂行されたものである。以下に、研究の背景・意義及び成果の概要を記す。
1.研究の背景と意義
半導体上のショットキ接合のバリア値を任意に設定できれば、半導体デバイスを最適設計して最大能率を引き出すことが容易となる。ところが、化合物半導体は表面のフェルミレベル・ピンニング現象が強く、そのためバリア金属の種類を変えてもショットキバリア値はほとんど変化しない。本研究によってフェルミレベル・ピンニング現象を抑制しショットキ接合のバリア値を任意設定できるようになるので、化合物半導体による高速・高機能デバイスの性能向上に果たす意義は大きい。
2.本研究の成果の概要
(a)電気化学プロセスピンニング抑制効果のメカニズム解明 電気化学プロセスとは、半導体の清浄表面を露出させてショットキバリアを形成する界面形成方法である。まず、本方法で形成した半導体表面と界面を観察し、従来真空蒸着プロセスで処理した表面・界面の状態との比較を行った。本方法による表面・界面では、表面酸化と面内ラフネスがいずれも改善されていることがわかった。また、ピンニング抑制効果の原因を検討した。その結果、ピンニング抑制効果は電気化学プロセスに巻き込むエネルギーが真空蒸着プロセスより小さいことに起因すると考えられる。
(b)電気化学プロセスによるショットキ接合の形成法の確立 リン化インジウムlnPを対象として、パルス電解法を導入して極薄エッチングを制御するとともに、各種の電解液を試験して、表面の極薄エッチングと金属の電着の際にできる半導体表面準位を最小限に抑える条件を求めた。その上、ショットキ接合のピンニングを抑制するに最も適した電気化学プロセスの手法を確立した。各種のバリア金属(たとえばAg,Cu,Co,Ni,Pd,Pt)を用いてlnPショットキバリアの制御を試みた。良好な電気特性を持つlnPショットキ接合を制御性よく形成した。ショットキ接合のバリア値は0.35eV〜0.86eVの広い範囲にわたって顕著に金属仕事関数に依存し、界面定数が0.4eVと大きいことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] N.-J.Wu(呉南健): "Schottky contacts on n-InP with High Barrier Heights and Reduced Fermi-Leved.Pinning by a Novel In Situ Electrochemical Process" Jpn.J.Appl.Phys.34. 1162-1167 (1995)

  • [文献書誌] T.Hashizume: "Depletion characteristics of Direct Schottky Contacts to Ouantum Wel1s Formed by In Situ Selective Electrochemical Process" Jpn.J.Appl.Phys. 34. 1149-1152 (1995)

  • [文献書誌] H.Okada: "Novel Wire Transistor Structure With In-Plane Gate Using Direct Schottpy Contacts to 2 DEG" Jpn.J.Appl.Phys. 34. 1315-1319 (1995)

  • [文献書誌] 宇野正一: "In-situ電気化学プロセスを用いたPt-Gate Inp MESFETの製作" 信学技報. ED95. 15-20 (1995)

  • [文献書誌] S.Uno: "0.86eV Platinum Schottky Barrier.on Inelium Phosphide by In Situ Electrochemical Process and its Application to MGSFEES" Jpn.J.Appl.Phys. (to be published). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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