プラズマCVD法による平坦膜の作製 光通信で重要な波長1.3μm用の積層形偏光分離素子への応用を目的として、a-Si_1-_xC_xとSiO_2の多層膜の平坦膜作製技術について検討した。多層膜作製には、プラズマCVD装置を用いた。今回は多層膜の境界面の平坦化のため、基板温度とSiO2成膜時における供給ガス流量の最適化をおこなった。基板温度は200℃のとき、平坦で低応力な膜が得られた。また、全ガス流量(SiH_4、CH_4、H_2)に対するH_2流量比を従来より89%まで増やしたとき、平坦性の高い膜が得られることがわかった。 広帯域積層形偏光分離素子への応用 ここで求めた条件で、多層膜を石英基板上に作製した。各層の厚さは83.5nmとし、500周期(1000層)積層した。作製した多層膜を斜めに切り出し、素子長を66.5μmまで研磨した。波長1.3μmにおいて、光学特性の評価をおこなった。平坦性向上のため、散乱損失を大幅に減少させることができ、損失を以前の約1/10である0.6dB/100μmまで低減できた。偏光分離角は13.8°が得られ、ルチルの2.5倍と大きい値が得られた。 また、作製した波長1.3μm用LPSを用いて、平面光導波路集積型光スイッチの基本的な動物実験をおこなった。
|