本研究では、水平方向に細長い骨組構造物(長大骨組構造物)の基礎から地震波が入力した場合の構造物の動的挙動を把握することを目的としている。 そのために、以下のような研究計画を遂行している。 1、解析に用いる地震波を収集する。 2、長大骨組構造物の動的挙動を解析するためのプログラムを作成する。 3、長大骨組構造物の基礎から地震波を入力させ、波動伝播を考慮した数値シミュレーションを行う。 4、上記解析モデルと同じモデルに対して振動解析を行い、波動伝播を考慮した解析結果と比較する。 5、構造物の減衰の評価をエネルギー的観点から考察する。 6、構造物内を伝播する応力波・変位波などの波動伝播現象を表現するためのグラフィック手法を開発する。 これらの解析はワークステーション(生研現有設備)で行い、ネットワークで接続されたパーソナルコンピュータにデータを転送し、グラフィックス処理を行っている。 1〜3に関しては、1モデルに対して、ほぼ終了している。4において、振動解析と波動解析の解析結果を比較したところ、骨組の水平方向寸法が長くなるにつれ、違いが大きくなっていくことが確認できた。5、6については、現在遂行中である。 今後、地震力や衝撃力などが構造物に入射した場合にエネルギーが構造物内をどのように伝播し、通過していくのかたどること、あるいは、たどることが容易なグラフィックス手法の開発を行う予定である。
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