●研究目的 屋外生活空間を構成する様々な材料のうち、特に植栽材料の色彩について、視界黄変化後の色を予測して色彩変化の量や質によって分類整理し、高齢者のための施設や庭や公園などの屋外生活空間の設計計画をする際に必要な視界黄変化を考慮した基礎的な植栽材料の資料を作成する。 ●研究実績 本研究では、第1段階として色標と視界黄変化シミュレーションフィルムを用いて、様々な色の黄変化や量や質の違いを調べた。その結果、黄変化前後で同じ色系統にある色標群と異なる色系統に変化してしまう色標群とを区分することができた。この中でまず青系統の色に着目した。一般に青が黄色みがかれば緑になるが、青い花が緑に変化してしまって葉の緑と区別がつかなければ植栽の効果が減ってしまう。しかし赤みが入った青は緑色にはならない。黄変化後緑にある青と緑にならない青を分ける必要がある。そこで青系統の花が咲く植物について花色と葉色を今回購入の色彩色差計を用いて計測し、データプロセッサに計測値を記憶させた。今年度はまだデータ収集を続けている段階である。さらに得られたデータの視界黄変化後の色彩の変化を予測して、植栽材料を色彩変化の量や質によって分類整理し、高齢者のための屋外生活空間の設計計画時の植栽材料選定に役立てたい。また今後、青い花だけでなく各種の植栽材料の葉色・花色・枝幹色などを季節的変化なども含めて計測し、資料を蓄積していきたい。
|