研究概要 |
研究計画に示した手順通り、リ-トフェルトの工業化住宅のための計画案に関連すると考えられる現有の図面、写真等をまとめて、リ-トフェルトの「工業化住宅案」関連資料図面集を作成した。同図面集のうち、主要であると認められた原図、雑誌掲載の図面を、Machintosh Computerに画像入力し、そられの図面をベースにMiniCAD等を利用し、平面構成の特徴を示す図を作成するに至った。 住宅の規格化・工業化に関連するリ-トフェルトの論文・記事5点(i10, 1(1927)3, 89-92; De Stijl, 10(1927)79/84, pp. 46-48; i10, 2(1928)17/18, pp. 91-93; De8en Opbouw,, 12(1940)9, pp. 122-127; Goed koope arbeiderswoning′, 1936, pp. 70-71)を入手し、図面理解の一助とした。 以上の資料分析を通して、リ-トフェルトの一連の工業化住宅案に共通して見られる、モデュールや設備コアのシステムが理解され、それに伴う平面構成の特徴が明らかになった。さらに、それらが彼自身の実施作品、特に集合住宅、あるいは正多角形の仮設的な週末住宅に反映されていることも確認された。また、参考文献によって、労働者用住宅や住宅の工業化の問題に対する彼の関心は、ベルラ-への社会主義理念に関する発現に端を発し、同世代のファン・ドゥ-スブルフやアウトとの交流がその探求に拍車をかけたことを推察するに至ったが、事実的な影響関係については未だ再検討の余地が残れている。
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