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1995 年度 実績報告書

交換結合巨大磁歪薄膜の合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07750777
研究機関秋田大学

研究代表者

斉藤 準  秋田大学, 鉱山学部, 講師 (00270843)

キーワード交換結合 / 巨大磁歪
研究概要

実用上有用な低磁界で応答する軟磁性を有する巨大磁歪薄膜を合成するため、巨大磁歪化合物と軟磁性合金との交換結合膜に着目し、巨大磁歪化合物中に軟磁性合金が微細に分散したナノ結晶組織をもつ薄膜の合成を試みた。本研究では最も大きな磁歪量が期待できる交換結合膜の巨大磁歪化合物と軟磁性合金の組み合わせとして、TbFe_2とFeとの組み合わせを選び、種々の組成のTbFe系2元合金薄膜をスパッタ法を用いて作製した。水冷基板上で作製した薄膜は成膜後、作製条件によらず非晶質であったため、熱処理して結晶化させることで非平衡状態であるTbFe_2とFeとの2相共存化を試みた。しかしながら、熱処理によりTbFe_2は生成させることができたものの、TbFe_2とFeとの共存状態は得られなかった。しかしながら、本研究では磁歪の最大値としてこれまでTbFe系2元合金薄膜で報告されている飽和磁歪値とほぼ同等の410×10^<-6>を得た。この値は測定最大磁場2kOeでの磁歪値が磁場に対して飽和に達していない領域での値であり、測定磁場2kOeでの値としてはこれまでの報告値と比較して2倍程度大きいことがわかった。磁歪の最大値が得られた薄膜は、そのTb濃度がTbFe_2より低い28at%Tbであり、400℃、1時間で熱処理したものである。この薄膜はX線的にはTbFe_2のブロードな回折線のみよりなっており、薄膜組成および磁歪値の測定磁場依存性より判断してTbFe_2化合物と低Tb濃度の磁気的にソフトな非晶質との2相よりなるものと推察される。以上より比較的良い磁界応答性が得られたものと考えられる。今後、この詳細を検討するとともに、新たに交換結合巨大磁歪薄膜としてさらに優れた磁界応答性が期待できるTbFe_2とFeよりなる積層膜を作製し、その磁歪および磁気特性を検討する予定である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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