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1995 年度 実績報告書

複方向配向強化複合材料の疲労特性評価と破壊過程解明

研究課題

研究課題/領域番号 07750780
研究機関東京農工大学

研究代表者

池田 浩治  東京農工大学, 工学部, 講師 (50251492)

キーワード複方向強化 / 複合材料 / 破面観察 / アコースティックエミッション
研究概要

本研究は,「従来長繊維強化複合材料において望ましくないとされていた0°方向繊維が他方向の強化繊維と共存することにより力学特性の向上が図られる」ことを示唆すると思われる予備的な実験データに基づいた研究である。もしも,このようなことが実現可能であれば,単純な一方向配列としたシートを適当な方向に積層していくことで凝似的な三次元構造とすることができ,従来製造法が複雑で製造コストが高い三次元編物構造の強化繊維配置を回避することとなり,極めて有用生が高い。
当初,このような積層タイプの複方向強化複合材料として,内部の破壊状態が直接観察できるガラス系マトリックス複合材料を用い,破壊機構解明のためのモデル材料とすることが計画されていたが,繊維の空間分布が比較的一様なモデル材料を自作するまでにはいたらなかったため,この研究のきっかけとなったSCS6/Ti-15-3マトリックスクロスプライを用いて,主に破面観察を中心に研究を実施した。
その結果,直接0°方向繊維が他方向の強化繊維と共存することにより力学特性が向上すると結論付けられる知見は得られなかったものの,疲労試験によるストライエーションから解釈すると90°配向のみの場合よりもき裂前縁部形状が複雑で線形破壊力学の範囲では破壊にたいする抵抗力が向上していると考えられること,また,アコースティックエミッション(AE)計測結果において繊維破断に対応する大振幅AEが連続して計測されなかったことから隣接繊維間隔が複方向強化型のほうが広いため,何等かの理由により繊維破断が抑えられている,と考えられた。
本研究の一部は,平成7年11月に開催された第8回チタンに関する国際会議で報告したが,本研究の複方向強化の有用性は透光性材料をもちいて内部を直接観察した試験結果がぜひとも必要なので,今後早急に試料の作製方法の確立を図ることとする。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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