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1995 年度 実績報告書

ゼオライト分離膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07750850
研究機関大阪大学

研究代表者

松方 正彦  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00219411)

キーワードゼオライト / 膜 / 気相輸送法 / 合成 / 分離 / 炭化水素 / モルデナイト / フェリエライト
研究概要

ゼオライト薄膜を用いた分子レベルでの高度連続分離プロセスの実現を目指し、緻密な薄膜状各種ゼオライト膜の合成法を確立することを目的とした。本研究では無機多孔質支持体上に緻密に製膜した乾燥ゲルを我々が開発した気相輸送法により結晶化し,ゼオライト薄膜を合成した。無機多孔質支持体としては平均孔径0.1μmのアルミナ多孔質板を用いた。
特に、モルデナイト(MOR)、フェリエライト(FER)膜についてその分離透過特性を検討した。XRDより両者とも多結晶膜であった。両膜を用いて、1,3,5-トリイソプロピルベンゼン(TIPB)の透過試験を室温で行った。TIPBはいずれの膜も透過しなかった。TIPBはMOR,FERの細孔より大きい分子であり、したがって、MOR膜、FER膜にはTIPBの透過できるような結晶粒界の空隙は存在しないと結論できる。以上より、ピンホールのない緻密なゼオライト膜の合成に成功したと結論した。
浸透気化法により芳香族炭化水素の分離特性を室温で検討した。FER,MOR膜ともベンゼン/パラキシレン混合物からベンゼンが選択的に透過することがわかった。分離係数は気液平衡より予測される値(10.1)より著しく大きく、MOR膜では160程度、FER膜では100程度の値が得られた。FER,MORの細孔内ではパラキシレン、ベンゼン分子のすれ違いは起きにくいと考えられるので、上記の高い選択性は細孔入口において形状選択性が発現した結果と結論した。
以上、気相輸送法によるピンホールのない緻密なゼオライト膜の合成に、世界で始めて成功した。これらの膜は、ゼオライトの特徴である形状選択性を発揮することを実験的に確認した。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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