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1995 年度 実績報告書

酸化物ガラスにおける電気双極子の配向凍結と光変調素子への応用

研究課題

研究課題/領域番号 07750926
研究機関京都大学

研究代表者

田中 勝久  京都大学, 工学研究科, 助手 (80188292)

キーワードテルライトガラス / 透明結晶化ガラス / 光第二高調波発生 / BaTiO_3 / 核生成
研究概要

本研究では、酸化物ガラスにおける光第二高調波強度を増大させる目的で強誘電体結晶微粒子をガラス中に分散させ、かつ、透明度を保持することを試みた。強誘電体結晶として大きな2次非線形光学係数を有するBaTiO_3を選択し、この結晶とほぼ等しい屈折率を持つテルライトガラスをマトリックスとして用いた。結晶粒子とガラスマトリックスの屈折率差を小さくすることにより、入射光の散乱を押え透光性を向上させることができる。具体的な研究成果を以下に要約する。
1.15BaO・15TiO_2・70TeO_2組成のガラスを作製し、BaTiO_3結晶が析出するための最適核生成温度を推測した。そのためにガラスを種々の温度で1時間熱処理したのち示差走差熱量計を用いて結晶化温度を見積った。結晶化温度の熱処理温度依存性から最適核生成温度が380℃と推定された。そこでこの温度でガラスの熱処理を行ったのち、430℃で結晶成長を行わせた。得られた結晶化ガラスは透光性に優れ、BaTiO_3が析出していることがX線回析により確認された。また、詳細なX線回析測定の結果、析出しているBaTiO_3は立方晶であり、その格子定数は文献値よりやや大きいa=0.4045nmとなった。
2.以上の過程で得られた透明結晶化ガラスの光第二高調波強度を、Nb:YAGパルスレーザーを光源とし、Makerフリンジ法を用いて測定した。光第二高調波発生が観察され、その強度はポーリング処理を施したテルライトガラスと同程度であった。光第二高調波強度は、入射角が0℃のとき最大であり、高角度側ではその強度は減少した。これは高角度側において反射率が高いために試料を透過する光の強度が減少したことによる。また、析出結晶が立方晶であるにもかかわらず光第二高調波発生が見られたのは結晶構造が立方晶からわずかに歪んでいるためと推察される。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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