1.側鎖に光学活性なフェニルエチルカルバモイルオキシ基あるいは1-ナフチルエチルカルバモイルオキシ基を有する光学活性アセチレンモノマーをヒドロキシフェニルアセチレンと対応する光学活性イソシアナ-トから合成し、[Rh(NBD)Cl]_2触媒を用いて重合した。定量的にポリマーが得られ、^1Hおよび^<13>CNMRよりほぼ100%シス-トランソイド構造を有していることがわかった。 2.生成ポリマーの円偏光二色性(CD)スペクトルを測定したところ、長波長域に強い誘起CDを示し、これらのポリマーが左右どちらか一方向に片寄ったらせん構造をとっている可能性が強いことが示唆された。 3.上記の光学活性ポリフェニルアセチレン誘導体を大孔径多孔質シリカゲルに担持し、HPLC用の充填剤として用い、種々のラセミ体の光学分割を行ない、不斉識別能を評価した。トレガ-塩基、スピロ誘導体、トランス-スチルベンオキシドなどをはじめ様々のラセミ体をほぼ完全に光学分割でき、これら光学活性ポリフェニルアセチレン誘導体が新規高分子系キラル固定相として有効であることが明らかになった。
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