1 イネNADH依存性グルタミン酸合成酵素(NADH-GOGAT)遺伝子の単離 イネ根NADH-GOGATのC末端側をコードする約0.8kbpのcDNA断片をプローブとして、イネゲノムDNAライブラリーをスクリーニングした結果、11個の陽性クローンを得た。これらのクローンの制限酵素地図及び上記のcDNA断片とアルファルファ根粒NADH-GOGATのN末端側をコードする約1kbpのcDNA断片を用いたサザン解析の結果から、各クローンはプロモーター領域を含めたイネNADH-GOGAT遺伝子の全長を含む可能性のある約33kbpの領域を相補することが判明した。現在、これらのクローンの塩基配列を決定している。 2 イネの生長過程の葉身及び根におけるNADH-GOGAT遺伝子の発現特性の解析 アンモニア処理したイネ幼植物根において、NADH-GOGAT活性及びタンパク質含量は短時間でかつ鋭敏に増加した。このNADH-GOGAT活性の増加は、NADH-GOGAT mRNAの蓄積量の急激な増加を介して新規合成されたNADH-GOGATタンパク質の蓄積によることが示唆された。一方、栄養生長期のイネ葉身では、NADH-GOGAT mRNA含量は若い未抽出の葉身で多く、葉の成熟に伴って減少した。このNADH-GOGAT mRNAの変化は、NADH-GOGAT活性とタンパク質含量の変化と同様であった。 3 イネNADH-GOGAT完全鎖長cDNAクローンの単離 現在、上記の2の結果をもとに、イネの未抽出葉身とアンモニア処理した幼植物根から調製したPoly(A)^+RNAを用いてcDNAライブラリーを構築している。
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