1 SH3450株のカルシウム依存的増殖にかかわる遺伝子(cal)はP1トランスダクションによりargHとrpoBの間(約90分)にあることが示されたが、この領域のどのDNA断片によっても相補されず、優性変異であることが示唆された。cal変異株はDNAジャイレースの阻害剤ノボビオシンに高感受性を示し、DNAの超ラセン構造が弛緩していることが示唆された。 2 RNaseEの変異株amslの温度感受性がcafAプラスミドによって部分的に回復されること、amsl cafA::catの二重変異株ではその温度感受性が増強されることを見い出した。アルコールデヒドロゲナーゼadhEとcafA::catの二重変異株は生存可能であった。cafA::cat株では16S rRNAの前駆体である16.3 S rRNAが蓄積しており、cafAプラスミドの導入によって回復されることを見い出した。またamsl変異株では16.3Sよりやや大きめの前駆体16.5Sが蓄積していた。リファンピシンを用い新規RNA合成を止めた実験より、CafAとRNaseEはそれぞれ互いの認識部位を切断する活性を弱いながらも持っていることが示された。16S rRNAのプロセッシングの変異株として取られ、その後解析が行われていなかったBUMMER変異株がcafAの変異株であることを明かにした。これらのことよりCafAは16S rRNAの成熟過程にかかわるRNaseE様のエンドリボヌクレアーゼであることが示唆された。
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