抵投入型持続的農法の実現が望まれる現在、作物生産の場面でクローバなどを草生栽培が注目されている。その中で、草生を形成する作物が自生すれば超省力的でかつ低投入型の栽培法となり得るものと考える。そこで、サブ・クローバのReseedingに注目して、夏作物を栽培しながらその裏作にサブ・クローバの栽培が自然に行われる草生栽培管理法について、主としてサブ・クローバのReseedingを種子と土壌環境あるいは気象との複合生体システムを農業機械などによる力学的作用でコントロールする生産工学的な視点から検討した。 その結果、サブ・クローバ種子は結実後それらを土中深く埋没させると、硬実を妨げ土中で発芽→死滅する種子が多くなり秋季に土中で生存する粒を減少させるのでReseedingポテンシャルは小さくなった。しかし、圃場表層で結実しそのままの種子は、夏季期間中は、地表面での乾燥環境のために秋季まで発芽しないで生存する種子が著しく多くなった。このことから、サブ・クローバのReseedingポテンシャルは夏作をロータリ耕耘した場合は秋は不耕起にするなどの耕耘環境下で高まることが認められた。これは、表層に結実したクローバ種子の3割程度がロータリ耕耘後も表層に位置し、それらが再び発芽してくるためである。また、ロータリ耕耘区は、不耕起区に比べて雑草の発生が著しく少なくなった。 以上の結果から、サブ・クローバのReseedingを活用した草生栽培でのロータリ耕耘などによる土壌の力学的コントロールは、土壌表層に分布する種子の生存が多く、夏雑草の抑制作用が著しいために植生をコントロールすることでReseedingポテンシャルを高めることが明らかになった。
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