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1995 年度 実績報告書

イヌ組み換えIL-8による好中球のリーシュマニア原虫殺傷能の増強の試み

研究課題

研究課題/領域番号 07760297
研究機関東京大学

研究代表者

松本 安喜  東京大学, 農学部, 助手 (90251420)

キーワードイヌ / サイトカイン / IL-8 / レコンビナント / 好中球 / 形態変化 / 抗体 / リーシュマニア
研究概要

はじめに,生理活性を持つイヌIL-8 (cIL-8)の作製を行った.当初,マルトース結合蛋白(MBP)とcIL-8との融合蛋白(MBP-cIL-8)を作製・精製してそこからfactor XaによりcIL-8のみを切り出す予定であった.しかし,融合蛋白が酵素によって完全消化できないこと,および切り出されたcIL-8がクロマトグラフィーで融合蛋白と同じ分画に溶出されることから,cIL-8のみを精製することができなかった.そこで,大腸菌に導入し,グルタチオン-S-転移酵素(GST)とcIL-8の融合蛋白(GST-cIL-8)作製したところ,本蛋白は,factor Xaにより完全消化され,CMカラムにより,cIL-8のみの分画を得ることができた.得られたcIL-8を最終濃度が18ng/mlおよび180ng/mlとなるようにイヌ好中球に加えたところ,いずれの濃度においてもcIL-8の添加により好中球の形態変化が誘導され,得られたcIL-8生理活性を有することが示された.また,上記2つの融合蛋白を用いて,cIL-8に対するポリクローナル抗体(polyAb)およびモノクローナル抗体(monoAb)を作製した.polyAbは,ウサギをMBP-cIL-8で免疫し,その血清をGST-cIL-8を結合したセファロースカラムを通し,cIL-8に反応する抗体のみを精製した.得られたpolyAbは,ELISA法およびウエスタンブロッティング法においてcIL-8と反応し,さらに,ヒトIL-8とはELISAにおいてのみ反応した.また,このpolyAbは,cIL-8による好中球の形態変化は中和したが,ヒトIL-8による形態変化は中和しなかった.抗cIL-8monoAbは,マウスをMBP-cIL-8で免疫し,X63 Ag8ミエローマ細胞と融合し,得られたハイブリドーマ細胞の培養上清をGST-cIL-8抗原を用いたELISA法によりスクリーニングした.その結果,14クローンの抗cIL-8monoAb産生ハイブリドーマを得た.現在,抗cIL-8monoAbの中和活性,cIL-8測定系の確立およびcIL-8の好中球のリーシュマニア原虫貧食に対するcIL-8の効果を検討中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松本安喜ら: "Morphological alternation of canine neutrophils induced with recombinant canine interleukin-8." J. Toxicol. Pathol.8. 239-244 (1995)

  • [文献書誌] Amro Mohamedら: "Detection of the chemotactic factor for canine peripheral blood mononuclear cells and polymorphonuclear cells in the culture supernatant of Cos7 cells transfected with canine interleukin-8 cDNA." J. Vet. Med. Sci.57. 603-610 (1995)

  • [文献書誌] Amro Mohamedら: "Production and characterization of polyclonal anti-canine interleukin-8 antibodies." J. Vet. Med. Sci.58 (in pess). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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