自己抗原反応性T細胞が認識するエピトープを検出することを目的に以下の準備と解析を行った。1、臓器非特異的な自己免疫疾患として知られている混合性結合組織病と全身性エリテマトーデスの対応自己抗原のひとつであるUl-A RNPを大腸菌の産生するリコンビナント蛋白として準備した。2、エピトープを求めるためT細胞の認識するリコンビナント蛋白を分断した。3、さらに20アミノ酸残基数程度に短くした合成ペプチドを準備した。以上の3種類の抗原に対するT細胞の増殖反応をチミジン取り込み法により12人の患者について反応性を解析した。その結果、Ul-A RNP蛋白の209-228アミノ酸残基数の部分と262-281アミノ酸残基数の部分に対して6人の患者T細胞が反応し、T細胞エピトープと同定された。前者のエピトープはアルファヘリカル構造をとりMHCクラスII分子との親和性を持つ部分であった。後者のエピトープはすでに求めたB細胞エピトープに一致する部分を含んでいた。このことからT細胞エピトープは抗原提示細胞に依存する部位に形成されると考えられた。この成績はArthritis and Rheumatismに報告した。
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