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1995 年度 実績報告書

心筋スタニング防止法の細胞内プロテアーゼ活性化からみた定量的評価

研究課題

研究課題/領域番号 07770503
研究機関大阪大学

研究代表者

松村 泰志  大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (90252642)

キーワードstunned myocardium / protease / α-actinin / desmin / spectrin / leupeptin / calpain inhibitor I
研究概要

心筋スタニング防止法の細胞内プロテアーゼ活性化からみた定量的評価
心筋の短時間の虚血後再灌流による一過性の収縮不全(stunned myocardium)の原因に、細胞内Caオーバーロードが重要な関与をしていることが報告されている。しかし、一過性の細胞内Caオーバーロードが何故、収縮性を低下させるのかについては未だ明らかにされていない。一方、この収縮性低下は、Ca transientの低下に基づくものではなく、myofilamentのCaに対する反応性の低下が原因であることが生理実験により示され、myofilamentの何らかの異常の存在が示唆されていた。我々は、平成5年度、平成6年度奨励研究の援助により、モルモット摘出灌流心のstunned myocardium(15分虚血後再灌流)のモデルにおいて、myofilement中のα-actinin、desmin、spectrin等の構造蛋白が、一部の心筋で変化していることを免疫組織学的方法により明らかにした。さらに、画像解析を加え、この染色性の低下の程度を定量評価し、再灌流後の発生圧の回復率と良く相関することを明らかにした。そこで、今年度は、これらの構造蛋白の変化に、Ca依存性プロテアーゼが関与するか調べるために、細胞透過性の良いプロテアーゼ阻害剤の効果を検討した。まず、これらの構造蛋白の変化と、再灌流時のCa overloadとの関係を調べるために、15分虚血後、Caを含まない液で再灌流したところ、構造蛋白に変化が認められなかった。即ち、これらの構造蛋白の変化は、再灌流時のCa overloadに起因していることが明らかとなった。次に、プロテアーゼの関与を調べるために、15分虚血再灌流心に、プロテアーゼ阻害剤であるleupeptin 50μMまたはcalapain inhibitor I 100μMを虚血前10分、再灌流20分間投与した。プロテアーゼ阻害剤投与群では、再灌流後の発生圧の回復が、非投与群より有意に良好で、かつ、染色性低下域の大きさも有意に小さかった。以上の結果より、再灌流時のCaオーバーロードにより、Zバンドに関連する構造蛋白が変化すること、この変化がstunned myocardiumにおける収縮不全と関連することが示唆された。更に、この構造蛋白の変化には、細胞内プロテアーゼが関与する可能性が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yasushi Matsumura: "Change of cytoskeletal proteins in stunned myocardium" Circulation. 92. 1-459 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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