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1995 年度 実績報告書

血友病変異病型における異常第VIII因子の生化学的・分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07770597
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

田中 一郎  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (00201616)

キーワード血友病A / 第VIII因子 / ELISA / vWF / SSCP / PCR
研究概要

1.multi-ELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)による異常第VIII因子の検出
われわれは5種類の認識部位の明らかな抗第VIII因子モノクローナル抗体を組み合わせたサンドイッチELISA法を確立し、34名の血友病A^+もしくはA^R患者においてそれぞれの抗原量を測定した。34名中1名の軽症患者(第VIII因子活性12%)でL鎖C_2領域を認識するNMC-VIII/5を含む組合せにおいてのみ明らかに低い抗原量(他は8%あるのに対し、1%未満であった)を示した。このことから、この患者の第VIII因子はL鎖C_2領域に何らかの異常を有するものと推測された。
2.異常第VIII因子のvWFに対する結合能の検討
正常vWFに対する本患者の第VIII因子の結合能は正常第VIII因子のそれに比し明らかな差は認めなかった。これは本患者の第VIII因子の異常部位がvWF結合部位(アミノ酸2308-2312の領域に存在すると推定されている)の近傍にはないことを示唆している。
3.異常第VIII因子の遺伝子異常の検討
これらの蛋白生化学的特性の結果をもとに、異常のあると思われるL鎖C_2領域にターゲットを絞り、PCRによるDNA増幅、SSCP(single strand conformation polymorphism)解析、塩基配列シークエンシングを行った。その結果、本患者の第VIII因子遺伝子は2159番目のarginineがcysteineに置換しているmissense mutationであることが判明した。
このように、本研究は異常第VIII因子を生化学的・分子生物学的に解析する上で、非常に意義のあるものであると思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 田中一郎,他: "先天性凝固異常症" 日常診療と血液. 5. 57-63 (1995)

  • [文献書誌] Midori Shima,et al.: "Measurement of anti-factor VIII IgG,IgG4 and IgM alloantibodies in previously untreated homophilia A potents Treated with recombinantfactor VIII" International Journal of Hewatology. 62. 35-43 (1995)

  • [文献書誌] Midori Shima,et al.: "Common inhibitory effects of human anti-C_2 domain inhibitor alloantibodies on factor VIII binding to con willebrand factor" British Journal of Haewatology. 91. 714-721 (1995)

  • [文献書誌] 田中一郎,他: "血友病の出生前診断" Biomedical Perspectiues. 4. 35-39 (1995)

  • [文献書誌] 田中一郎,他: "血友病の出生前診断" 小児科診療. 58. 2065-2070 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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