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1995 年度 実績報告書

PU.1遺伝子導入によるマウス赤白血病細胞におけるアポトーシスの誘導とその解析

研究課題

研究課題/領域番号 07770884
研究機関(財)佐々木研究所

研究代表者

山田 俊幸  財団法人佐々木研究所, 細胞遺伝子, 研究員 (20183981)

キーワードPU.1遺伝子 / マウス白血病(MEL)細胞 / アポトーシス / 増殖抑制 / 分化抑制
研究概要

PU.1遺伝子はEtsファミリーに属する転写因子をコードし、Friendウイルス誘発のMEL細胞においてはプロウイルスの挿入により活性化されている。申請者らは、MEL細胞にPU.1遺伝子を高発現すると増殖抑制、分化抑制、およびアポトーシスによる細胞死が誘導されることを見い出した。そこで本研究においては、アポトーシス解析を中心とした実験を進め以下の結果を得た。
1、アポトーシスの性格付け:FACSによる解析から、アポトーシス誘導に先立ち細胞周期はG1期において停止することが示された。また電子顕微鏡により、アポトーシスの特徴とされる核周辺部へのクロマチンの凝集が観察され、細胞形態学的にもこの細胞死がアポトーシスであることが確認された。
2、アポトーシス関連遺伝子の発現変化:このアポトーシスの誘導過程においてbc1-2、c-myc、p53遺伝子の発現は減少することが、またp21、ICE、bc1-Xs遺伝子の発現は増加することが、さらにbc1-X_L遺伝子の発現には変化がないことがノーザン法あるいはRT-PCR法により示された。
3、アポトーシスの誘導、増殖抑制、分化抑制に必要なPU.1タンパク質上の領域の決定:PU.1タンパク質のEtsドメインに相当する領域を欠失した変異PU.1遺伝子をMEL細胞で高発現させたところ細胞増殖は抑制されず、アポトーシスは誘導されなかったがMEL細胞の分化マーカーであるβ-グロビン遺伝子の発現は誘導された。一方、転写活性化ドメインに相当する領域を欠失した変異遺伝子を高発現させたところ、細胞増殖の抑制は認められず、アポトーシスもβ-グロビン遺伝子の発現も誘導されなかった。これらの結果から、アポトーシスの誘導および細胞増殖の抑制にはEtsドメインと転写活性化ドメインの両者とも必要であるのに対し、分化の抑制には転写活性化ドメインは必要ではないと推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Toshiynki Yamada: "Differeutial expression of the T cell receptor/CD3 genes and their lymphoid-specific transcription factor genes in murine T cell X fibroblast and T cell x B cell hybrids" European Journal of Immunology. 25. 2710-2713 (1995)

  • [文献書誌] Tsuneyuki Oikawa: "Suppression of LcK protooncogene expression in murine somatic cell hybrids between T lymphoma cells and fibroblasts" Cytogenetics and Cell Genetics. 72. 12-19 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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