本年度は、Needle型CCDカメラシステムの開発と改良を中心に研究を行いました。Needle型CCDカメラシステムは、針状のプローベ(直径4.5mm)を腎臓内に挿入し、内蔵するGradient Index Lensにより約600倍に拡大することで、今迄不可能とされていた生体での一ネフロンの可視化を可能にしました。このシステムを使用し、本年度は、未だ議論の余地のあるレニン-アンジオテンン系の研究にあたりました。1995年のアメリカ腎臓学会、及び国内の学会には、"腎臓内ではアンジオテンシン濃度如何により血流の再分配が皮質一傍髄質のネフロン間におきること"を発表しました。これは、従来より推測のみで証明されていなかったことであり、本CCDシステムにてはじめて可能となった成果であります。このシステムのハードは純国産であり、さらなる改良と進歩を加えることで、臨床面で高血圧、糖尿病から来る糸球体病変の原因究明につながると考えております。
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