研究概要 |
当初の研究計画のうち、平成8年2月までに腎組織からのMHC精製と結合ペプチドの分離までを行った。現在単離したペプチドのモチーフ解析を行っているが、特にクラスIIのMHCではペプチドのサイズのばらつきが大きく、予定していた方法ではモチーフの決定ができず、Matsushitaらの方法(J Exp Med 180: 873-883,1994)、すなわち単離ペプチドの1アミノ酸残基のみを他のアミノ酸に置換した多種類のアナログペプチドを合成し、クラスIIMHCへの結合を調べる方法を併用し、腎組織に存在するMHC結合ペプチド中のMHCクラスII結合性に重要なアミノ酸の種類および位置についての同定を行っているところである。今後ペプチド解析が終了した後、決定したモチーフを所有する抗原(細菌、ウィルス等)を検索する事となるが、恐らく複数種類の抗原が同一のアミノ酸モチーフを有するものと考えられるので、そのモチーフの出現頻度や抗原蛋白の立体構造も考慮しIgA腎症特異抗原の候補を限定していく予定である。
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