• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

キメラ化モノクローナル抗体のFab分画による膵癌のイメージングと治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07770997
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

大辻 英吾  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20244600)

キーワードモノクローナル抗体 / イメージング / ターゲッティング療法 / 膵癌
研究概要

遺伝子組み替えによって作製したキメラ化(ヒト/マウス)A 7-Fab分画を用いて、安全で有効な膵癌のイメージングやターゲッティング療法を実現するのを目的として、以下の研究を行なった。効率的にイメージングやターゲッティング療法を行なうには、標的癌組織に標識抗体や複合体が到達したのちに血中や正常組織に残存する抗体などが速やかに排泄されるのが有利であると考えられる。
ヒト膵癌移植ヌードマウスに^<125>I標識キメラ化A 7-Fab分画を静脈注射して腫瘍集積性について検討したところ、^<125>I標識キメラ化A 7-Fab分画は投与後早期から腫瘍に集積し、血液や正常臓器からは急速に排泄された。これより、放射性同位元素をキメラ化A 7-Fab分画に結合することによって効率の良い膵癌のイメージングが可能であると考えられた。また、キメラ化A 7-Fab分画は投与後早期に多量に膵癌組織に集積するため、NCSのように抗腫瘍効果が生体内で失活しやすい抗癌剤の担体として有用であると考えられる。そこでキメラ化A 7-Fab分画とNCSとを結合してキメラ化A 7Fab-NCS複合体を作製した。そのヒト膵癌に対する抗腫瘍効果をin vitroで検討したところ、従来のA 7-NCSと同様にNCS単独より約2.5倍強かった。また、ヒト膵癌移植ヌードマウスにキメラ化A 7Fab-NCSを実際に投与して、その抗腫瘍効果を従来のA 7-NCSやNCSと比較したところ、抗腫瘍効果はキメラ化A 7Fab-NCS、A 7-NCS、NCSの順に強く、キメラ化A 7Fab-NCS投与群のみで膵癌の増殖が完全に抑制された。
以上より、キメラ化A 7-Fab分画はヒト膵癌のイメージングやNCSを用いたターゲッティング療法に有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Eigo Otsuji: "Biodistribution of Murine and Chimeric Fab Fragments of the Monodonal Antibody A7 in Human Pancreatic Cancer" Pancreas. 10. 265-273 (1995)

  • [文献書誌] Eigo Otsuji: "The Effect of Intravenous and Intratumoral Chemotherapy Using a Monoclonal Antibocly-drug Conjugate in a Xenograft model of Pancreatic Cancer" European Journal of Sargical Oncology. 21. 61-65 (1995)

  • [文献書誌] Eigo Otsuji: "Application of Monoclonal Antibodies to Hlstologic Diagnosis of Gastric Cancers" Tohoku Journal of Experimental Medicine. 176. 213-218 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi