1995年4月より、穿孔性十二指腸潰瘍の病態にヘリコバクター・ピロリが関与しているかについて検討を開始した。感染の有無を生検により判定し、陽性例ではlansoprazol 30mg、teprenone 150mgの6週投与に加えclarithromycin 800mgを1週投与するdual therapyによる除菌治療を行った。 抗IgG抗体の陽性率は75%、感染陽性率は58%であった。通常の十二指腸潰瘍症例における陽性率は85-90%であり、低い傾向にあった。 除菌治療の効果をみると、clearanceは29%、eradicationは14%であり、除菌の効果は低い傾向にあった。 今年度の検討結果からはヘリコバクターの病態への関与は少なく、また、dual therapyでの除菌効果は少ない傾向にあったが、症例数が少なく、今後継続して検討する必要があると考えられた。
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