(1)ランソプラゾール長期投与における胃内分泌細胞動態とそれに及ぼすエンプロスチルの影響. ランソプラゾール(LAP)30mg/kg/dayの4週間強制経口投与により、胃内分泌動態として高ガストリン血症、ガストリン細胞(G細胞)過形成、ならびにEnteroclomaffincell(ECL細胞)過形成が認められた。LAPにエンプロスチル(ENP)20μg/kg/dayを併用したところ血清ガストリン値の有意な低下を認めるとともに、G細胞数も有意に減少した、また、これと同時にECL細胞数も有意に減少し、それと同時にソマトスタチン細胞(D細胞)の増生が認められた。この際、血漿ソマトスタチンは変動していなかった。以上から、LAPによって引き起こされる異常胃内分泌細胞動態をENPは是正する可能性をもっており、この機序としてD細胞を介したパラクリン作用が関連しているものと考えられた。 (2)ランソプラゾール長期投与における胃内分泌細胞動態とそれに及ぼすピレンゼピンの影響. LAP50mg/kg/dayの4週間強制皮下投与によって、高ガストリン血症、G細胞過形成、ECL細胞過形成が認められた。これにピレンゼピン(PZ)40mg/kg/dayを併用したところ、血清ガストリン値の有意な低下を認め、これと同時にG細胞ならびにECL細胞の有意な減少を認めた。
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