研究概要 |
Wistar系ラットを用い、片側腎・副腎摘除と他側副腎核出術を施行し食塩水を飲水させた副腎再生高血圧ラットを作製し1群とし、正常血圧ラットを2群とした。結合組織蛋白質代謝測定のために以下の方法を用いた。それぞれの群に^3H-プロリンを投与し、腎動脈、及び腸間膜動脈を採取、5%のトリクロロ酢酸(TCA)を用いてhomogenateした。5%TCAにて沈殿性蛋白を摘出(90℃、50min、twice)し、抽出物はcold5%TCAにて2回洗浄した。これらの過程において洗浄を頻回に繰り返すための製氷器が必要であった。さらに半透膜を介した蒸留水に対する透析や、遠心(755g×15min.)を組み合わせ、elastin,non-collagenous protein,collagenの各分画を抽出した。今年度は以上のelastin,non-collagenous protein抽出作業をおこなったがこの過程は非常に複雑であり、安定した抽出結果を得るのに苦慮しており、安定した抽出結果が得られれば、結合組織蛋白質代謝を明らかにできると考えている。次の段階の、vasoactive substanceである6-OH-dopamineをstereo taxic法にて脳室内に投与し、中枢性のdopamine発生を遮断したうえでの血圧変動、血管収縮蛋白代謝測定、およびnon-collagenous proteinの分子量、化学構造決定については結果をだすまでには至っていない。また同時に、non-collagenous protein等、血管収縮蛋白代謝と血管平滑筋の筋収縮張力との間に相関関係があるのではないかという視点にたち、イソメトリックトランスジューサ-アンプを用いて上記の1群、2群における腎動脈および腸間膜動脈の筋張力を測定し結論をだすべく検討中である。
|