研究概要 |
子宮内避妊器具(intrauterine contraceptive device,IUD)の避妊機序に関して、特にInterleukin-1(IL-1)システムに注目し、子宮内膜におけるIL-1β、IL-1 receptor(IL-1R)、IL-1 receptor antagonist(IL-1RA)のmessenger RNA及び蛋白発現に及ぼすIUDの影響を検討した。 1.RT-PCT法を用いて子宮内膜組織中のmRNA発現量の比較検討を行った。control子宮内膜中のIL-1β、IL-1R、IL-1RAいずれのmRNAも卵胞期に比して黄体期前期に増加していた。IUDを挿入された子宮内膜でのこれらmRNAの発現を比較すると、卵胞期mRNA発現はcontrolと大差を認めないものの、黄体期前期では三者共にcontrolに比して増加していた。 2.子宮内膜におけるIL-1β、IL-1R、IL-1ra蛋白の発現を免疫組織染色で確認した。IL-1βは主に間質に、IL-1R、IL-1raは主に内膜上皮に局在を認め、IUD存在下ではそれぞれの染色強度が増加していた。 以上の結果はIUDの避妊機序としてIL-1システムが関与していることを示唆している。
|