鼻アレルギー及び慢性副鼻腔炎における糖転移酵素発現様式を分子生物学的に検討した。Sambucus nigra agglutinin(SNA)を用いたレクチン組織化学的に検討にて、鼻アレルギー腺組織において、正常腺組織と同様に豊富にシアル酸を産生していることが判明した。一方、慢性副鼻腔炎腺組織においてシアル酸の産生が抑制されていることが示された。 In Situ Hybridization法にて組織切片上でシアル酸糖転移酵素mRNAの発現を検索した。レクチン組織化学的検討と同様、正常及び鼻アレルギー腺組織においてシアル酸糖転移酵素の発現が示され、慢性副鼻腔炎腺組織においてはシアル酸糖転移酵素の発現が抑制されていることが判明した。 14員環マクロライドの使用により、慢性副鼻腔炎軽症化とともにシアル酸の産生増加及びシアル酸糖転移酵素の発現が示された。 以上の結果の一部は英文雑誌に投稿中である。
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