内因性ぶどう膜炎患者および健常人から採血し、リンパ球を分離した後、DNAを抽出した。制限酵素EcoRI、HindIIIで消化し、RIでラベルしたHRES-1、EVR3をプローブとしてhybridizationし、制限酵素断片長多形解析(RFLP)を行った。その結果、ぶどう膜炎患者と健常人とでは、一部に異なる部分がみられた。現在、DNA sequencingを行うために、DNAからライブラリーを作製し、上記プローブを用いて、スクリーニングを行い、クローニングしていく準備を行っている。次に、病変局所部位で内在性レトロウイルスが発現しているかどうかを検討した。内因性ぶどう膜炎患者のリンパ球だけでなく、ベーチェット病患者では口腔内アフタの粘膜組織を採取後、RNAを抽出し、HRES-1、IRF-1、IRF-2、SMT-1、25ASの各プライマーを用いて、RT-PCRを行った。一部のベーチェット病患者のリンパ球およびアフタ粘膜組織でHRES-1に陽性のバンドを示す患者がみられた。しかし、陰性の患者も多く、転写が行われていない患者もいることが分かった。また、2例の原因不明のぶどう膜炎患者の白内障手術時に得られた虹彩からRNAを抽出して、同様にRT-PCRを行ったが、ともに陰性であった。2例とも炎症が沈静化していたため、発現がみられなかった可能性がある。今後やはり活動性のあるぶどう膜炎患者から、同意が得られたなら前房水を採取し、RT-PCRを行いたい。
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