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1995 年度 実績報告書

エナメル上皮腫における癌遺伝子変異の検討

研究課題

研究課題/領域番号 07771609
研究機関岡山大学

研究代表者

井上 正久  岡山大学, 歯学部, 助手 (20223274)

キーワード癌遺伝子 / エナメル上皮腫 / PCR
研究概要

エナメル上皮腫,扁平上皮癌および上皮異形成症における増殖能,細胞学的悪性度を明らかにする目的で,増殖細胞核抗原(PCNA),各種癌遺伝子・癌抑制遺伝子を検索した。その結果から以下のことが示された。
対照材料である上皮異形成と扁平上皮癌では,上皮異形成の比較的初期の段階でp53蛋白質の異常が認められ,扁平上皮癌では約70%の症例にp53蛋白質に異常が見られた。また,RB蛋白質の発現異常は癌組織の段階,しかも後期に認められた。
エナメル上皮腫,悪性エナメル上皮腫では,悪性エナメル上皮腫のPCNA陽性率は,エナメル上皮腫に比べ有意に高値を示し,PCNAがエナメル上皮腫の増殖能の指標として有用であることが示された。c-myc蛋白質はPCNA陽性率と正の相関を,ras蛋白はPCNA陽性率と負の相関を示した。また,p53蛋白質は,PCNA陽性率で高値を示した悪性エナメル上皮腫,一部のエナメル上皮腫で発現を認め,これらの症例におけるp53蛋白質の異常が示唆された。さらにPCNA陽性率で高値を示した一部のエナメル上皮腫で悪性エナメル上皮腫に類似した陽性細胞率および染色性を示したことから,これらのエナメル上皮腫が,悪性エナメル上皮腫と類似した生物学的性格を有することが示唆された。
以上より,各種癌遺伝子の検索がエナメル上皮腫の細胞学的悪性能に対するスクリーニングとして有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 林 勝彦: "エナメル上皮腫における細胞増殖能と癌遺伝子産物,癌抑制遺伝子産物発現の相関" 岡山歯学会雑誌. 14. 1-13 (1995)

  • [文献書誌] 米本嘉憲: "口腔扁平上皮癌におけるp53癌抑制遺伝子産物と増殖細胞核抗原(PCNA)の免疫組織化学的検討" 日本口腔外科学会雑誌. 41. 46-50 (1995)

  • [文献書誌] Hong-In Shin: "The Effect of Enzymatic Treatment on Immunohistochemical Staining of Collagens in Mandibular Condyle of Rats" Journal of Hard TIssue Biology. 4. 8-14 (1995)

  • [文献書誌] 井上 正久: "顎骨のセメント質-骨形成性線維腫と化骨性線維腫の発生母組織に関する一考察" Journal of Hard Tissue Biology. 4. 9-14 (1995)

  • [文献書誌] N.Nagai: "Gene Expression of Bone Matrix Protein mRNA during BMP Induced chondrogenesis and Osteogenesis by in situ Hybridization" Journal of Hard TIssue Biology. 4. 15-23 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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