|
ラットの三叉神経運動核ニューロンに直接接触する神経終末のうち、GABA、セロトニン(5-HT)、エンケファリン(ENK)、サブスタンスP(SP)にそれぞれ免疫活性を示す神経終末の分布を検索した。
実験にはウィスター系ラット31匹を用いた。一側の咬筋あるいは顎二腹筋前腹にCholera Toxin B Subunit(CTB)を0.5〜5.0μl注入した。この後に実験動物を2〜3日間生存させ、2%パラホルムアルデヒドと0.25%グルタールアルデヒドの混合溶液にて灌流固定を施した。脳幹部において厚さ30μmの凍結連続切片を作製し、CTBとGABA、5-HT、ENK、SPをそれぞれ蛍光抗体法により二重標識した。
咬筋および顎二腹筋前腹に注入されたCTBにより逆行性に標識された三叉神経運動核ニューロンは、同核の背外側亜核と腹内側亜核にそれぞれ限局して分布していた。これら開口筋と閉口筋をそれぞれ支配する運動ニューロンに接触するGABA、5-HT、ENK、SP免疫陽性神経終末を定量的に解析した結果、統計学的に有意な差のあることが判明した。
|
