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1995 年度 実績報告書

P. gingivaris線毛によるリン酸化蛋白質の発現とIL-4による抑制作用

研究課題

研究課題/領域番号 07771629
研究機関明海大学

研究代表者

菊地 寛高  明海大学, 歯学部, 助手 (70234193)

キーワード線毛 / サイトカイン産生 / IL-4
研究概要

成人性歯周疾患の主要病原菌であるPorphyromonas gingivarisの線毛は、定着因子としての働きを持つ一方、炎症性サイトカインの産生誘導に機能していることが明らかにされている。故に、本線毛により誘導される炎症性サイトカインの発現に関する制御機構を明らかにすることは究めて重要な事と考えた。
現在までに私共はP. gingivalis線毛によるサイトカイン遺伝子の発現が、そのレセプターを介して誘導される事の可能性を明らかにし、さらにマクロファージにおける炎症性サイトカインの発現には、本線毛により誘導された68kDaのリン酸化蛋白質が細胞内情報伝達因子として密接に関与している事を報告している。一方ごく最近、Interleukin-4が骨吸収に対して抑制的に作用するとの知見が報告された。同因子は抗炎症性サイトカインとしての働きが明らかにされており、またマクロファージの種々の機能発現を制御する因子としても注目されている。
そこで、私はマウス腹腔マクロファージにおいてP. gingivalis線毛により誘導された68kDaリン酸化蛋白質が、IL-4により抑制されるか否かを検討した。その結果、同細胞においてP. gingivalis線毛処理後20分で誘導された68kDaリン酸化蛋白質は、IL-4処理により濃度依存的に抑制された。さらに、IL-4は線毛によるモノサイト特異的走化性活性化因子MCP-1/JE、及び好中球特異的走化性活性化因子KC/GRO/MGSAの発現をも抑制した。また、この抑制効果はIL-4前処理によって、より顕著であった。以上の知見はIL-4がP. gingivalis線毛により誘導される68kDaリン酸化蛋白質の発現を抑制することにより、炎症性サイトカイン産生を制御する事を示唆するものであり、歯周疾患における炎症反応成立機構の一端を明らかにしたものと考えられる。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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