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1995 年度 実績報告書

生後早期の耳下腺にみられる粘液細胞の分化と出現の意義について

研究課題

研究課題/領域番号 07771636
研究機関日本歯科大学

研究代表者

池田 利恵  日本歯科大学, 歯学部, 講師 (50168150)

キーワード耳下腺 / 発達 / 粘液細胞 / 分泌顆粒 / 神経刺激 / ラット
研究概要

成熟したラット耳下腺の腺房は漿液細胞のみで構成されている。しかし生後早期のラット耳下腺の終末性集落と腺房には、生後1週頃まで粘液細胞がみられる。この細胞の分泌果粒には酸性ムコ糖が豊富に含まれているが、このほかにアミラーゼや成熟漿液細胞と同様の糖鎖が検出された(池田1992)。このことから粘液細胞は成熟漿液細胞の性状をかなり強く兼ね備えていることが明らかになり、粘液細胞が漿液細胞に分化する可能性が示唆されたがその機序については不明である。またなぜ粘液細胞が出現してくるか、その意義についても明らかにされてはいない。そこで今回、末梢神経の中でも耳下腺の支配神経である交感および副交感神経を刺激することにおって、粘液細胞の出現に対して神経が関与しているか否かを明らかにすることを目的として本実験を行った。
ラット耳下腺に粘液細胞が認められる生後1日から、経時的に副交感神経興奮薬、副交換神経抑制薬、交感神経興奮薬、交感神経抑制薬を投与した。副交感および交感神経の興奮と抑制を行った場合にも粘液細胞は出現し、その分泌果粒の形態に変化は生じなかった。このことから、副交感および交感神経の存在は粘液細胞が出現し分化するための必須条件ではないものと思われる。しかし副交感神経抑制によって粘液細胞の出現時期は早められ、交感神経抑制によって粘液細胞の出現時期は遅くなるといった変化が認められた。この結果から、副交感および交感神経は粘液細胞が出現および分化する時期を決定する要因の一つである可能性が示唆された。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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