研究概要 |
耳下腺の超音波断層像においてSjogren症候群のreal-time定量診断システムを構築し、診断能の向上をめざした。 1.対象:Sjogren症候群44例、健常例83例 2.方法:電子リニア走査型超音波断層装置(RT-8000,横河メディカル製)、周波数7.5MHzプローブを用いて、FH平面に平行な耳下腺の最大横断面を描出した。 3.結果: a)定量診断システムの構築:超音波断層装置にコンピュータを連結し、videocapturingにより超音波断層像をreal-timeにデジタル化し取り込むシステムを構築した。耳下腺のデジタル画像上の任意のROI内画素において、フーリエ変換後に得られる空間周波数の低周波数領域の総和S値、およびecho level histgramのSDを求める解析プログラムを作製した。 b)定量的診断システムによるSjogren症候群の診断精度:S値とSDを組み合わせて用いた場合、Sjogren症候群の判別分析による診断精度はsensitivity 88%、specificity 100%、accuracy 97%と高値を示した。 4.考察:Sjogren症候群の定量的診断システムは、侵襲性および被曝がなく安価な上に、十分高い診断能を有するものと考えられ、今後有効な利用が期待される。
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