研究概要 |
口腔癌細胞HSC-3からtotal RNAを抽出し、RT-PCR法により、528bpのhuman PTHrP cDNAを作成し、pT7Blue T-vectorを用いてクローニングした。以後、クリーニングしたhuman PTHrP cDNAをプローブとして、PTHrP mRNA発現量の検索に用いた。 本研究では、口腔癌細胞HSC-3におけるPTHrP遺伝子発現に対する、活性型ビタミンDである1,25-dihydroxyvitaminD_3(1,25(OH)_2D_3)の作用について詳細に検討した。1,25(OH)_2D_3は血清無添加の条件下および5%血清存在下でHSC-3細胞のPTHrP mRNA発現、HSC-3細胞からのPTHrP分泌を用量依存的に抑制した。更に、血清無添加の条件下で、1,25(OH)_2D_3によるHSC-3細胞のPTHrP遺伝子発現の制御のtime courseを検討した。1,25(OH)_2D_3(10^<-7>M)処理群では、コントロール群と比較すると、3hからPTHrP mRNA発現量が低下を示し始め、6h以降では顕著なPTHrP mRNA発現の抑制が認められた。PTHrP分泌も1,25(OH)_2D_3(10^<-7>M)処理群ではコントロール群に比べ、3h以降明確な抑制が認められた。 以上から、口腔癌細胞HSC-3のPTHrP発現は1,25(OH)_2D_3により転写、翻訳の両レベルで抑制されることが明らかとなった。
|