本研究は消化管におけるCD4タイプのT細胞の分化および機能を調べたところによって、歯周病原性細菌に対するT細胞の反応を検討した。特にCD4タイプの自己反応性T細胞クローンのT細胞レセプター遺伝子のトランスジェニックマウスを用いてCD4タイプのT細胞の細菌に対する反応について検討し、期間内に明らかにする計画であった3点について以下の知見を得た。 1.CD4タイプのT細胞のサイトカイン産生について検討したところ、Th1タイプのサイトカイン産生が認められた。 2.CD4タイプの機能に絡めて、T細胞レセプターの発現密度や、T細胞レセプターその他の分子を介した細胞内へのシグナル伝達機構を調べるたところ、消化管ではT細胞レセプターの発現が抑えられていることが明らかとなった。 3.自己反応性T細胞クローンのT細胞レセプター遺伝子のトランスジェニックマウスに細菌を投与したところ正常マウスと比較して抗体産生の低下がみられた。
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