研究概要 |
数種市販象牙質ボンディングシステムを使用して,ウシ象牙質に接着したコンポジットレジンに繰り返し圧縮剪断荷重を10^6回までの範囲で破壊に至るまで与え,その疲労耐久性を検索した結果,次の結果が得られた. 1)低サイクル疲労において,剪断接着強さが高い象牙質ボンディングシステムが高い疲労耐久性を示す. 2)低サイクル疲労では他の材料に比較し低い疲労耐久性を示したボンディングシステムであっても、各材料によりS-N曲線の傾きが異なるため,高サイクル疲労では他のボンディングシステムと同程度あるいはそれ以上の疲労耐久性を示す場合がある. また,疲労破壊面のSEMおよびEPMA観察の結果,供試した象牙質ボンディングシステムにより接着したコンポジットレジン修復物に繰り返し剪断応力が働く場合,疲労亀裂は樹脂含浸層内を進展することがしめされた. 現在,樹脂含浸層の機械的強度の改善が,疲労耐久性の向上させ得るか研究中である.
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