いままでわれわれは、LPSを家兎下顎骨に埋入し炎症性骨吸収モデルの作製を行い、アラキドン酸カスケードに作用するとされる各種消炎剤の投与によって、ロイコトリエンも炎症性骨吸収のケミカルメディエーターの一つであることを示唆してきた。今回は臨床の場において下顎骨骨髄炎患者より採取分離したS. mitisを用いてこれを家兎下顎骨に埋入し、各種薬剤を投与し以下の結果を得た。 1・臨床分離株のS. mitisによって炎症性骨吸収モデルが作製できた。 2・抗菌剤と消炎剤の比較投与によって、アラキドン酸カスケード以前のケミカルメディエーター(ブラジキニン等)の骨吸収への関与が示唆された。 現在われわれは、フリーラジカル(活性酸素)の炎症巣での関与について、上述の炎症モデルを用いて検討してるが、今後この活性酸素と骨吸収について更に検討を加える予定である。
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