学校歯科健診で得られたデータの処理を電算化するために、以下のソフトウェアを開発し、評価した。 1.健診後に健診結果を、キーボードを用いて健診簿から一括して手入力するソフトウェアについては、健診結果をコード化して入力するのではなく、カ-ソル移動とファンクションキ-を押す方法とした。そのため、コンピュータの操作に精通していない者でも容易に入力が行える。1人平均齲歯数6本程度の小学校6年生40名のデータの入力に約30分の時間がかかった。 2.健診時に光学式マークシートに記入し、その後一括して読取機で入力するソフトウェアについては、A4版12行×64列のマークシートを用いることとした。マークシートは、記入の容易な書式で設計した専用のものを用いた。健診時のマークシートの記入は、健診簿に直接記入する場合と同程度の時間がかかった。また、機械で読み取る時間は40名のデータで5分程度であった。しかし、マークの記入が乱暴な場合には、正しく読み取れない場合があった。その時には前述1.のソフトウェアで修正が行えるようにした。 3.健診時にパーソナルコンピュータに直接入力するために、バ-コードを用いるソフトウェアについては、入力項目をバ-コードで1枚のシートに印字したものを用い、その上をバ-コードスキャナーでなぞる方法とした。検診者が発した言葉通りにバ-コードをなぞればよいため、入力時間は検診簿に手書きで記録するよりも短くなった。 4.以上の方法で入力されたデータを集計するソフトウェアを用いることで、集計にかかる時間を節約できた。 以上のことから、検診と集計の効率を考えれば、バ-コードによる入力が優れていると考えられた。
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