研究概要 |
本研究ではオキソ不飽和胆汁酸(7α-hydoroxy-3-oxo-4-choleonoic及び7α,12α-dihydoroxy-3-oxo-4-cholenoic acids)の体内動態を明確にするため、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び酵素免疫測定法による高精度分析法の開発を行い、その有用性に関する基礎検討を行なった。 1.抱合型オキソ不飽和胆汁酸及の合成 オキソ不飽和胆汁酸及びその7-脱水産物のグリシン及びタウリン抱合体をシアノリン酸ジエチルを縮合剤として用いる緩和な方法で効率よく合成した。 2.HPLCによる抱合型オキソ不飽和胆汁酸の一斉分析法の開発と応用 UV245nm及び280nmの二波長同時検出法を組み合わせたHPLCによる簡便かつ高精度な一斉分析法を確立した。本分析法を健常児及び3-oxo-△^4-steroid-5β-reductase欠損症の疑いのある患児の尿中胆汁酸の分析に応用し、オキソ不飽和胆汁酸に関する基礎的データの集積を行なった。 3.オキソ不飽和胆汁酸の酵素免疫測定法の開発 オキソ不飽和胆汁酸の牛血清アルブミン結合物を調製し、家兎に免疫して抗血清を作成した。西洋ワサビペルオキシターゼ結合物を標識抗原とする2抗体固相法による酵素免疫測定法を開発し、尿試料中の本胆汁酸の分析に応用した。 3-oxo-△^4-steroid-5β-reductaseの特異性 3-oxo-△^4-steroid-5β-reductaseの諸性質を明らかにするため、ラット肝より本酵素の精製を行った。
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