5-ヨード-2'-デオキシウリジンを出発原料とし、パラジウム触媒を用いた一酸化炭素挿入反応により5位にトリフルオロエトキシカルボニル基を導入した。5'水酸基をジメトキシトリチル基で保護した後に、3'水酸基を亜リン酸化しアミダイトユニット(1)を得た。DNA自動合成機を用い、ホスホロアミダイト法によって5'末端に1を含むオリゴヌクレオチド(2)を合成した。2を種々のアルキルジアミン(エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノヘプタン)で処理し、脱保護、樹脂からの切り出しと同時にデオキシウリジン5位にアミノリンカーを導入した。つづいて、得られたオリゴヌクレオチドのアミノリンカー上にピリジルジチオプロピオニル基を導入した。得られたオリゴヌクレオチドの組成は、酵素で加水分解することにより確認した。さらに、ジチオスレイトールで処理しチオール誘導体へと変換した後に、酸素雰囲気下でジスルフィド結合を形成させ4種類の架橋型オリゴヌクレオチドを得た。得られた4種類の架橋型オリゴヌクレオチドのポリプリン・ポリピリミジン交互配列から成るDNA二本鎖に対する三本鎖形成能を熱変成により50%融解温度(Tm)を測定することにより比較検討した。その結果、合成した4種類の架橋型オリゴヌクレオチドはすべて、未架橋のオリゴヌクレオチドよりも高いTm値を示した。また、4種類の架橋型オリゴヌクレオチドのうち、エチレンジアミンで架橋したオリゴヌクレオチドが最も高いTm値を示した。
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