研究概要 |
本研究の目的は,キャンプ活動場面における児童・生徒の対人認知構造を明らかにすることである.また,パーソナリティ認知に及ぼす異なる場面の効果を検討することである. 調査は平成7年8月に実施した.調査の対象は,静岡県フロンティア・アドベンチャーキャンプに参加した児童・生徒80名である.対人認知の対象は,所属グループ内の人物とした.また,データを収集した場面は1)グループでの課題解決場面,2)個人別選択活動,3)登山,4)キャンプ最終日であった.これらの場面ごとに,20の特性形容詞対からなるパーソナリティ評定尺度を用いて,所属グループ内(本人を含めて10名)の中から5人物を選出して7段階評定を行わせた.また,評定に際してグループ内の人物の好意度の調査を実施した. 得られたデータから多変量解析(3相因子分析,多次元尺度法)を用いて分析した結果,キャンプ参加児童・生徒の対人認知構造として,「親和性」次元,「評価」次元,「活動性」次元の主要な3次元が抽出された.すなわち以上の3つの観点から他者を認知していることが明らかになった.また,個々人の3つの次元へのウエイトを求めた結果,認知対象への好意度,性によって認知する次元への重み付けが異なっていた. 現在は,パーソナリティ認知に及ぼす場面の効果について要因計画法を用いて分析を行っている.パーソナリティ認知に及ぼす場面の効果の知見が,得られ次第研究の総括を行う.成果については,平成8年度レジャー・レクリエーション学会で発表する予定である.また論文の投稿先については検討中である.
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