研究計画に基づいて、主節が省略された複文の使用例を、小説・雑誌・パソコン通信から得られるテキストデータ等から、約200例収集した。このうち、「ノニ」「テモ」「ガ」「ケ(レ)ド」を中心に分析作業を行った。 特に、「PノニQ」「PテモQ」については、従来「Pならば-Q」を前提とするとされてきたが、本研究のデータを検討した結果、この前提が成立しないと考えられる場合が数多く存在することが明らかとなった。また理由を表わす「カラ」と置きかえても知的意味に変更を及ぼさない逆接の「ノニ」も多数あることが実証できた。このような文については、外国人日本語学習者を対象にテストを行った結果、正確な意味の把握が上級レベルの学習者であっても困難であり、誤解を生じやすいことが明らかとなった。 さらに、逆接の接続助詞の誤用例を約50例収集したが、これについては、データ数を増やした上で分析していく予定である。
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