研究概要 |
本研究では,拡張したHCPチャートを用いて,ハードウェアの動作を手続き的に記述し,設計を効率的に行なう設計支援システムを構築した. 1.拡張HCPチャートエディタ(PAN/XHCP)の実現 ハードウェア設計のために,本来逐次処理を対象にしているHCPチャートに,並行処理と同期のための記述方法を追加した.この追加を,既に開発済みであったHCPチャートエディタに実装して、拡張HCPチャートエディタ(PAN/XHCP)を実現した.また,設計モデルのセマンティクス,シンタックスを確認する機能や,チャートの処理説明を言語記述のコメントの形式として出力するひな型出力機能を変更,追加することで,概念的な設計から,実際の言語記述までをサポートする設計支援システムを構築した. システムの有効性の検証 2.システムの有効性を検証するため,以下の2つの実験を複数の被験者に対して行なった.(1)設計対象の仕様をPAN/XHCPを用いて設計する.(2)手書きのチャートをPAN/XHCPで記述する. この実験の過程をPAN/XHCPのログ取り機能(履歴記録機能)で記録し,PAN/XHCP使用中の様々な操作を解析した.その結果,PAN/XHCPを用いて,並行に動作する複数のタスクで構成されるハードウェアの設計を支援することができ,様々な機能により,チャートの記述と,記述の誤りの発見とをサポートできることが知られた.
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