研究概要 |
データの整理や解析を支援できるデータベース管理システム(DBMS)について,その機能を実現するための集合操作に関するアルゴリズム及び実現法のための基礎を築いた. 経済学文献データを対象として経済学研究における文献データの整理と利用について調査し,(1)階層的な分類は本質的に必要である,(2)階層構造の深さのレベルは一定ではなく項目ごとに異なる,(3)同じデータ集合でも研究者によって同じ項目を用いても分類法が異なり,多数の階層が必要である,(4)階層の再構成は研究の進展に伴い必ず必要であることがわかり,階層索引のための集合階層の管理に必要とする機能をまとめた. データを整理する過程では,ある性質をもとに集合を分割した集合,分類された集合を統合した集合が生成される.集合の表現法として,他の集合の和集合であることを記憶する方法,集合を規定する選択演算の条件式を記憶する方法,データの属性値により記憶する方法の組み合せて利用する方法があり,そのような集合とその包含関係の階層の形式的な表現法を開発した. これらの検討を元に,データの分割によって生成された集合とその包含関係の表現について,索引による方法に対して既存のDBMS上で管理用の関係を作成する方法を開発した.また,集合の記憶法として検討している索引による方法,条件式による方法が混在した場合の処理アルゴリズムを開発した.
|