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1995 年度 実績報告書

ニューラルネットワークの計算能力評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07780313
研究機関名古屋大学

研究代表者

松本 哲也  名古屋大学, 情報処理教育センター, 助手 (40252275)

キーワードneural network / multilayer perceptron / generalization / geometrical property / mapping capability / curvature / model selection
研究概要

ニューラルネットワークのパターン認識への応用において,その汎化能力,すなわち未学習パターンの識別能力を解析することは重要な課題である.ニューラルネットワークの持つ汎化能力はその計算能力,すなわち写像能力によって規定されていると考えられる.本研究は,層数・ユニット数を指定した具体的構成における階層型ニューラルネットワークの計算能力を解析することにより,汎化能力を評価する基礎を確立するものである.
具体的には,多層パーセプトロンの写像能力を,その値域での幾何学的計量によって評価し,多層パーセプトロンの構成と写像能力の関係を,シミュレーション実験を通じて考察した.実験結果より,全曲率で評価した多層パーセプトロンの写像能力は層数・素子数に対して単調に増加し,入力層に近い層の方が遠い層に比べて,素子数の増加に対する写像能力の増加率が高いことを明らかにした.
さらに,少数標本時,すなわち汎化の問題が顕著となる条件下において,データの理論的分布を仮定しえない場合における階層型ニューラルネットワークのパターン識別能力・汎化能力についての検討を行った.現実の医用画像データを用いて階層型ニューラルネットワークのパターン識別能力を測定し,対数尤度比に基づく2次分類器による実験結果との相違をROC曲線を用いて評価した.実験の結果,少数の標本しか有効でない場合には,階層型ニューラルネットワークの計算能力自体は,高い潜在能力を示すにも関わらず,有効な学習が行われない場合があることが判明した.汎化能力を高めるためには,データに細工する程度の処理では不十分であり,汎化能力を考慮した構成の検討.学習が不可欠である.しかし,現時点においては,一般的な汎化能力向上学習法は開発されておらず,計算量の面から見ても,少数標本に対しては,高い能力の階層型ニューラルネットワークの構成は難しいという結論が得られた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松本哲也、三浦正義、鳥脇純一郎: "少数標本時における階層型ニューラルネットの汎化能力の実験的評価" Medical Imaging Technology. 14. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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