研究概要 |
幾何学制約充足問題に対して,演繹的アプローチと帰納的アプローチを併用する新しい手法を導入した.具体的は,次のようである. (1)エキスパートが持つ幾何学的な設計知識を間接的に抽出するために,既存の設計事例集から自動的に知識を獲得する方法を提案した.このために,制約知識が獲得可能な帰納学習システムを開発した.このシステムは世界最高速であり,機能的にも優れたものとなっている. (2)すでに研究代表者が開発した制約プログラミングに基づく自動レイアウトシステムに,帰納学習で得られた知識を適用する方法を提案した.学習規則を利用すると,従来のシステムでは不可能だった実用的なレイアウトが実現できることを実験的に示した. (3)帰納学習システムの性能を客観的に判定する統計的手法を導入した.具体的には,クロスバリデーションを用いて,学習規則の性能を表す様々なパラメータを導入した.これらのパラメータを用いた結果,精度のよい学習規則を得ることに成功した. 以上の成果は,海外のジャーナルや国際ワークショップ等で発表した.また,学習システムへの入力情報や学習結果はインターネットでアクセスできるように公開した.
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