研究概要 |
本研究では、高効率トランザクション処理マシン用に研究代表者らが設計したTrinity(三位一体)アーキテクチャに関して、シミュレーションによる評価によってその有効性を確認し、必要な改良を行なった。 アーキテクチャのモジュール化及びアーキテクチャの記述 Trinityアーキテクチャを先進的なオブジェクト指向設計手法であるFusion法により分析し、オブジェクト指向シミュレーション言語MODSIM IIによってシミュレーションプログラムを実装した(約4,000ステップ。開発期間4人月)。 Trinityアーキテクチャの性能評価 本アーキテクチャの構成要素のうち、最もボトルネックになる可能性の高いディスクシステムに関してシミュレーションを行ない、研究代表者が考案したブロードキャストを利用した動的データ再配置に関して以下の結論を得た。(1)動的データ再配置により、ディスク間の負荷分散が極めて効率良く行なわれ、動的再配置によるオーバーヘッドも少ない、(2)全く異なるデータアクセス分布を与えても動的データ再配置は安定して動作し、データアクセス分布の急激な変化に対しても非常に高速に応答する、(3)バス等の共有資源がボトルネックを生じることはない、(4)ディスク数50台程度の高並列システムにおいても、多少のチューニングによってディスク数に比例する性能が得られる。 最終報告 上記の結果について、既に論文を執筆して投稿を済ませている。しかし、実績報告書の記入要領に従い、研究発表としては挙げていない。今後は、研究計画には挙げていたが、研究期間内には完成できなかった耐故障性評価や、より並列度の高いシステムに関する研究を進める予定である。
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